ごみっと・SUN48号
G30に取り組む横浜市の容器リサイクル

 
  横浜といえば、多摩地域から引越した知人が会う度に「ほとんど分別しないで何でも燃やしてしまう」と嘆いていたことを思い出します。
その横浜市がごみの減量・資源化へ180度大変身し、平成17年4月から全市でプラスチック製容器など分別を拡大しました。
スタートして3週間、担当課を訪ね、リサイクルクルセンターを見学してきました。

356万人都市の分別拡大に向けて

  市は04年に一般廃棄物処理基本計画改定、行動計画を「横浜G30プラン」と名付け、「ごみ排出量を2010年までに2001年に対して30%減らそう」という目標を決めました。

 マスコットキャラクターに“へら星人・30(みーお)”を登場させ、「環境行動都市に向けハマッ子が行動します!」のコピーなど…広報も工夫してあり、ごみの増加は環境負荷と処理コストの増大につながることを説明、何のための30%削減なのか、具体的な数値目標を示して繰り返し述べています。

 356万人に周知させるため、先行6区で1,500回、12区で4,000回、啓発ビデオを使い職員2名体制で事前説明会が行なわれました。
年々1%約3万人も人口が増えるため、転入者対策として不動産屋や大学にポスターを掲示、さらに開始直前の9月に6区30駅で2回、3月に12区87駅で3回、駅頭キャンペーンをしたということです。

 実施後も集積所で早朝啓発、燃えるごみに資源物が混ざると取り残すなど、直営のよさを生かしたきめ細かな指導が行なわれています。

ここがお見事!

  市は5分別7品目から10分別15品目へ分別を大拡大。
すでに昨年10月から18区のうち金沢、栄など6区(先行6区)で開始。4月から12区を加えて全市での実施となったのです。G30に相応しく「環境事業局」から「資源循環局」と名称も変わり、担当者の話も気合充分でした。

 変更の主な点はそれまでの「家庭ごみ」を燃やすごみ、プラスチック製容器包装、スプレー缶、古紙、古布、燃えないごみの6つに分けたことです。
これらが今までは全て同じ「燃やすごみ」だったことも驚きです。

 その家庭ごみは、10月から分別を始めた6区で、3ヶ月に70,751tから47,711tと33%減量、資源物も含めた収集総量も20%削減しました。全市では4月から16日間で33.5%減量しています。

 さらに、7つあった焼却施設のひとつ栄工場は、地元から強力な働きかけもあって休止に至りました。ごみを減らして焼却炉がなくなるという、大きな成果です。
 分別品目は増えましたが、燃やすごみ、乾電池、スプレー缶、燃えないごみの4品目については、これまで通り週3回収集しています。
運転席と後ろの車体の間にスプレー缶と燃えないごみを入れるボックスを置き、車体の底に乾電池を入れるため、1台で4品目収集できるという訳です。
因みに18区のうち、西区と中区を除き16区が直営で車は約500台。

プラスチック製容器包装のリサイクル

  緑区、港北区など北9区のプラスチック製容器包装は鶴見区にある横浜プラスチックリサイクル工場に持ち込まれます。施設はJFEエンジニアリングの工場を流用、改装して機械を入れたもので、施設整備費は10億円とのこと。

 まず粗選別機でフィルム状の軽いものとボトル形の重いプラに分け、2つのラインで手選別されます。手選別は階上で行い、不適物である可燃、缶・びん・ペットボトル、不燃、金属類は各々階下のコンテナに落下するようになっています。
所長の渡邉洋一さんは「粗選別機と階下へ不適物を落下させるのはここだけ」と話します。

 油圧プレスで比重0.03から0.3、もとの10分の1に圧縮された1×1mのベールは重さ250〜300kg、1部は昭和電工、他はJFEスチールに運ばれます。
 作業は早朝7半から夜9時まで2交代各々6人が従事しています。4月1日に稼働したばかりの施設のせいか、手選別ラインでも、ほとんど臭いません。
啓発効果か不適物も2〜3%程度で、すでに搬入予定量の80%、70〜80t/日が搬入されています。

 政令指定都市としては昨年7月に広島市(ごみっと・SUN44号参照)が、今年4月から横浜市と大阪市が全市でプラスチックを含む容器包装のリサイクルに踏み切りました。
いずれもプラ焼却をしていた大都市がリサイクルへと大きく舵を切り替えています。

 横浜では粗選別機を導入して手選別を一段と進化させ、広報、説明会、実施後のケアなど市民への周知もなかなかです。
先行自治体を参考にした学習効果とトップも含め一丸となった行政側の意気込みも感じられます。

 自治体はやる気です。後は事業者が責任を持つように、容リ法を変えるだけ。

ごみかん理事 服部美佐子

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